かんぼつの雑記帳

日々考えたこと、感じたことを気ままに投稿しています。更新は不定期ですがほぼ月一。詳しくはトップの記事をお読みください。

2018-01-01から1年間の記事一覧

オタ活まとめ01(2018)

友人に影響を受けて今年見た・読んだ作品の総括などすることにしました。いや、やっぱこういう言語化・歴史化作業大事だよね、ということで…。 ◯2018年アニメ 冬クール ヴァイオレット・エヴァーガーデン 学園ベビーシッターズ ダーリン・イン・ザ・フランキ…

『SSSS.グリッドマン』最終話を見て意味不明だった視聴者に捧げるぼくがかんがえたさいきょうの『SSSS.グリッドマン』について(『SSSS.グリッドマン』最終話周辺考察記事)

『SSSS.グリッドマン』のアカネと六花があまりに尊かったので考察記事を書きました。最終話が意味不明だった方はとりあえず僕の話を聞いてくれ。「はじめに」は面倒なら飛ばしても大丈夫です。 はじめに 1,そもそもアカネはどのような問題を抱えていたのか…

キャラクターとカリスマ

一時期、物語論の研究で、ひたすら脚本のハウツー本とか小説創作論とかシナリオハウツー本とかを図書館で渉猟していたことがあった。そんな時期に見つけた文献の一つに感情で書くなんたらとかいうものがあって、これはざっくりいえば、三幕構成とか起承転結…

『プラダを着た悪魔』とハラスメント

最近、ふと思い立って『プラダを着た悪魔』のDVDをレンタルショップで借りたのだが、見るやいなや、その内容にちょっとびっくりさせられてしまった。ネタバレを極力避けてその内容というのを掻い摘んで説明すると、まず本作はメリル・ストリープ演じるミラン…

好きでいるための努力

大昔に『化物語』を読んだとき、強烈に印象に残ったことがある。それは八九寺真宵の「好きなものを好きでいるために努力することは不純なことではなく大事なことなんだ」という旨のセリフだ。 一方には、ほんとうに好きならば、それを好きでいるために努力す…

隈、陰キャ、三白眼、ゾンビ

とくに突っ込んだ話はしません。きわめて私的な話になっています。 ☆ 誰にでも変わった趣味嗜好のひとつやふたつはあるものだ。もちろん、僕にも例外なくそんな趣味嗜好が存在する。 それに最初に気づいたのは、大学生の頃だったと思う。僕はある日、『下ネ…

雑誌について

僕ぐらいの世代の人間には珍しくないのだろうが、僕は雑誌に興味を持ったことがなかった。ジャンプ漫画は単行本派で、本誌をコンビニで立ち読みしたり買って読んだりすることもない。サブカルチャー・思想・文学・読書文化など、僕が好きそうな分野の専門誌…

雑記05(偶然について)

最近ぼんやりと二つの偶然の違いについて考えている。 一方で、三島由紀夫やスピノザがいうように、世界はくまなく必然的な因果法則から成っているため、偶然とは単に人間の認識の不十分さによる錯覚にすぎない(ほんとうは全て必然だ)、というようなときの偶…

雑記04(視線)

人間とそれ以外の動物を区分けしたり、人間性のある(あるいは本来的な)人間とそうでない人間を区別するときに、反省の有無を持ち出す論法は、様々な分野で見られる。つまり、自分を意識する存在こそが人間であり、そうでないものは自分を意識しない。こうい…

Re:ポンコツ ポンコツ萌えを考えるために

本エッセイは、はてなブログポンコツ - ゔぁみのじゆうちょうに触発され、書かれたものである。ここでは、ポンコツ萌えの当事者として、いわば患者自身の手からなる症例報告とでもいうべきものをおこない、それと同時に、来たるべきポンコツ萌え論のための論…

わからない感覚について

最近ぜんぜんブログを更新していなかった気がしたので、定期的に更新する義務もないのだけれども、このまま書かないと永遠に書かない気がしてそれはちょっと自分にとって損失だなという気がしたので、何かを書くことにした。こういう経緯があってなかば書く…

人生と夢

1, 三島由紀夫は認識と行動という二元論を終生唱えていた。そしてそれはそれ自身彼の葛藤の表現でもあった。この葛藤というのは、簡単にいえば、なにかを意識することと、それを生きているということのあいだにある、埋めがたいズレに苦しむことである。ひと…

アイデンティティとその周辺

昔書いて途中でやめた原稿に自分語りをくわえたエッセイになります。 ☆ アイデンティティという言葉はよく人口に膾炙した言葉ですが、そのルーツを知っている人は意外と少ないのではないかと思います。ふつうに使われている言葉ほど、そういう傾向がある気が…

規定と反省ーー作品を論じるということあるいは考えるということ

0, とあるところで自分の研究について発表する機会があって、人に批判された。その批判の内容は、作品について語る際、それに用いる枠組みと作品との対応関係がちゃんととれていない、というものである。つまり簡単にいえば、たんなる雑な当てはめだというこ…

感情移入論の導入のために

エッセイです。 ----------目次0,はじめに1,二つの感情移入2,感情移入の限界3,背景と課題---------- 0,はじめに ここでは、物語論の研究の一環として、感情移入について考えてきたことを、基礎的な理論として、短く、簡潔に記すこと目的とする。したがって、…

『サクラクエスト』雑感

最近知能の著しい低下を感じます。エッセイです。 ☆ 最近、ア○ゾンプライムビデオ(なぜ伏字にしたのかはわからない)のせいでアニメ中毒になりつつある。最近見たものを列挙すれば、そのなかで今放映してるアニメを除いても、『Re:ゼロから始める異世界生活』…

コミュニケーションの哲学② ーー敵対と友好

コミュ障の屈託です。なおナンバリングしてますが続き物ではありません。 ☆ 前々から疑問に思っていたことがある。たとえば、よくある失恋の代表例として「優しい人どまり」というものがあるが、あの例は僕の疑問にとって非常に示唆的な気がする。なぜ優しい…

コミュニケーションの哲学①――議論と雑談

コミュ障の屈託です。なおナンバリングしてますが続き物ではありません。 ☆ 以前、僕は会話の持続について文章を書き、noteで公開したことがある。本記事は、ようするに、その過去の文章を一部直して転載したものである。この転載を行った理由は、別にもう一…

アルバイトをしていて思ったこと(学習と保守性)

エッセイです。 ☆ 僕は長い間ひとつのアルバイトを続けている。飲食店の厨房業務である。入りたての頃は物覚えが悪く、先輩にどやされたこともよくあった。しかし今は職場のなかでもかなりのベテランで、当然、平均以上には仕事ができる。 しかし、僕は新人…

雑記03(過去と物語の時間)

最後にちょこっとだけ『東京レイヴンズ』『Re:ゼロから始める異世界生活』『魔法少女まどか☆マギカ』『Fate/stay night』セイバールートについて言及します。これはメモ書きというかアイデア出しの段階ですが、ここから論旨を詰めていきたい…。 ☆ 欲望につい…

雑記02(超越と無関心)

いろんな研究と並行してラカンについて勉強しているので、そのことについての覚書。独学かつ俄かなので概念の理解の妥当性については保証しかねます。 ☆ シェーマLにおいて、小文字の他者たちの軸(a-a')における鏡像的闘争は、もう一つの軸(他者A-主体S)に横…

雑記01(贈与と時間)

メモがわりに。 ☆ 贈与と交換の違いのひとつは、時間という観点から考えたときに明らかになる。交換するとき、私たちは物と物を即座に取り替えるから、貸し借りはほとんどないようなものである。これは(クレジットカードでの支払いなどの形式を除けば)基本的…

『夜廻』の眼(補遺:『東京レイヴンズ』における犠牲の役割)

1月末までになんか載せたいなと思ってたんですが無理でした。とりあえずまとまってないですがネタを放出しておきたいと思います。 0, PSVitaで遊べるゲームに『夜廻』というものがあります。この作品はホラーゲームで、行方不明になったお姉ちゃんのために、…